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縄文ニワトリ コラム vol.1



*はじめまして。僕は、縄文ニワトリ。 *jomon_niwatori



僕は縄文式のニワトリ。

繭の中にすむニワトリ。

良い卵も悪い卵もたくさん抱えていて、

いつも、何が生まれてくるものかとドキドキしているの。

この間生まれてきたのは、とても素晴らしい奴だった。



その前に生まれてきたのは、小憎らしい奴だった。

生まれる前に、ガシャリと割れてしまった卵もあった。



とても大事にしていたのだけれど...


君が大切に抱えている卵はなぁに?



本当に大切なものは誰にも気付かれないように、



僕はこの白い羽の下で、こっそりと温め続けるの。




縄文ニワトリ コラム vol.2



*泡  *jomon_niwatori



僕は今日、ある素敵な女性から、

「生まれては消えていく それだけのこと ほっときましょう」

という言葉を聞いた。

僕はなんだかとても嬉しくなり、日記にその言葉を記した。

日記なんて、生まれては消えていくことに対抗する代表みたいなものだけれど、

年単位で読み返すと、あら不思議、

「生まれては消えていっている」ことがちゃんと確認できる。

良い泡も悪い泡も、ポコポコ出てはポコポコ消えていくその様が、よくよくわかる。

だけど僕はちっぽけなので、目の前のなかなか消えない悪い泡に泣く。

いつかは消えるって理論ではわかっているはずなのに、泣く。

すぐに消えてしまう良い泡に泣く。

いつかは消えてしまうって理論ではわかっていたはずなのに、泣く。



そんな時は一言、泡に向かって、

「生まれては消えていく それだけのこと ほっときましょう。」

そうやって、おまじないのように大事に唱えようと思う。




縄文ニワトリ コラム vol.3



*君のこと、好きだよ。 *jomon_niwatori



僕は、男でも女でもなく。
だから恋とか愛とかよくわからない。



馬鹿な女がどこかで言っていた。

「私は、男に生まれ変わって、ホモになって、男を愛したい。

その方が、より相手を理解して深く愛せる気がするの。」

僕は思った。

きっと彼女が本当に男だったとしたら、

「俺は、女に生まれ変わって、レズビアンになって、女を愛したい。

その方が、より相手を理解して深く愛せる気がするんだ。」

きっとそう言うんだろう。



愛する人のことがよくわからないから、

そして、愛する人と僕は一つにはなれないから、

憧れもするし、抱き締めたくもなるのだろう。

僕は、胸の下に卵を温めながらそう思うのだけれど。




縄文ニワトリ コラム vol.4



*温かいコーヒー  *jomon_niwatori



僕はコーヒーを飲むことができない...と思っていた。
ミルクとお砂糖を山程入れて、お子さま風味にしなきゃ飲めない...と思っていた。

でも昨日、僕は苦いコーヒーを飲んだ。

大好きな人に温かなコーヒーを入れてもらったんだ。



僕は、初めてコーヒーがおいしいと思った。



世界で一番始めに苦いコーヒーを飲んだ人も、

きっともっとも愛する人に入れてもらったに違いない。

だって、こんなに苦いのに、おいしく思うだなんておかしいもの!




縄文ニワトリ コラム vol.5



*記念日  *jomon_niwatori



この間、ピアノの上手なお兄さんが、
「まったく女っていう生き物は、すぐに記念日を作りたがるのさ。」と言っていた。

なるほど、何かわかる気がする。



僕は女でも男でもないけど...実は記念日を作ったことがある。

大好きな人の誕生日がわからなかったので、その人に似合いそうな日にちを勝手に決めて、

毎年勝手にその人のことを祝う日にした。それが実は今日、12月3日なのだ。



今のところ僕は、記念日が設定されてからこの日を忘れたことはない。

何かしらの印を渡す。大切な人を祝えるというのは幸せなことだ。



だけど記念日って残酷。その人との関係が続いている間は、なにより楽しい日になるが、

関係が薄らいだり遠のいたりした場合は、なんとも空しく悲しい日になる。

はじめの頃は記念日を盛大に祝っていたのに、そのうち段々小規模になっていったりすると、

それがイコール気持ちの薄まりだと解釈されてしまったりもする。



そんなこんなで、僕は記念日を作るには、かなり慎重にならなければいけないと思う。

僕には、今のところ記念日は2個だけ。これから先もそうそう増えることはないだろう。

この先も、僕の大事な記念日、大切に祝っていけたら良いなぁ。




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